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カヤ材は近年彫刻史研究の焦点となり、優れた木彫仏を生み出すきっかけとなったと考えられている。仏像の材としては古来、香木の「ビャクダン」が最も珍重されていた。産地がインド南方に限られるため、入手が無理な場合「栢木」を代用とある経典に唐時代の注釈書に記載されている。1979年に「栢木」は「カヤ」にあたるため、カヤ材が正統的な用材だったことを現在奈良国立博物館上席研究員の鈴木氏が指摘し発表した。その後いろいろな議論があったが、発表から約20年後、東京国立博物館と森林総合研究所の合同チームの研究によって実証された。1998年の第1次公表では、奈良・唐招提寺の木彫群や京都・神護寺の薬師寺如来像など、奈良時代後半から平安時代初期の主要な木彫仏はカヤであることが判明した。ケヤキなど他の樹種もあったがカヤ材がベースとなっていたことは間違いない。また、8世紀半ばに仏像の用材が大きく変化したことが分かった。飛鳥時代はクスノキが主であり、鑑真来朝などを契機にカヤ材の使用が正当化されたのである。そりによって、ビャクダンによる小さな檀像を上回る、堂々たる量感のある木彫仏が誕生したのである。余談であるが、カヤ材は樹脂が抜けにくいため、古い仏像でも独特のにおいがするという。
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